映画「エド・ウッド」ほか(1996年)~湯村紗瑛

【1996年冬の映画】

香港映画のアクション大作『レッド・ブロンクス』。ジャッキー・チェンがニューヨークを舞台に暴れ回る。

『エド・ウッド』は、サイテー監督と言われた実在映画人の波乱の人生をジョニー・デップが演ずる。ティム・バートン監督で、1995年に公開された話題作である。


「ニュー・シネマ・パラダイス」は1989年のイタリア・フランス映画。1999年のアカデミー賞で、国際映画賞(外国語作品賞)を受賞した。映画への深い愛情を作品に託したものは多くあるが、映画ファン以外の心もつかみ、興行的に大成功を収めた作品となると、この映画しかない気がする。それは、古き良き映画館の時代がノスタルジックに描かれ、人生の希望と挫折、愛と苦悩という普遍的テーマが盛り込まれているからだろう。

舞台はシチリア島。主人公は、映画館の映写室からこっそり持って帰ったフィルムの切れ端を見ながら、映画のワンシーンをマネする映画少年と、彼に愛情を注ぐ映写技師。やがて彼は大人になって恋をし、広い世界を見るために島を出て行く。それから30年後、映画業界で成功した彼は映写技師の死を知らされ、島へ帰って来るのだった。


湯村紗瑛