彼はもう学生ではなく、社会人なのであるから、いくら野球だけが出来ればいい職業でも、人格を問われては生きて行けないのである。
時折り、単に"言い終わり"を丁寧にするだけの基本的な敬語を使う夫婦に出会うことがあるが、見ていて気持ちがいい。
夫らしく妻らしく感じられる。
日本語のよさを、うまく自分の美しさのために利用し、身につけている女性であり、また、そう言わざるを得ないような風格を持っ
夫も、男として素敵である。
「あなた、おビール飲む?」
と言っても、
「あなた、ピ:ルお飲みになりますか」
と言っても、どのみち奥さんは一本出せぽいいのである。
「あなた、ビールお飲みになりますか」
と言われて、あれえ、うちのカアチャンは今日はなんてやさしいんだろうと、「じゃ、もう一本」
と言おうものなら、
「つけ上るんじゃないよッ」
と怒鳴られそうだが、最初の気分が違うのである。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)