2014年9月アーカイブ

敬語が厄介なのは(三上靖史)

「どっちへ行くの」
「そっち」
という会話である。

この下に、
「どっちへいらっしゃいますか」
「そっちへまいります」
と敬語をつけたにしても、どうにもこうにも語感としては不揃いである。


どこが悪いかというと「どっち」「そっち」である。

敬語が厄介なのは、言葉の全体が整わなくてはいけないことである。

どっちだの、あっちだのそっちだの、という俗っぽくなってしまった言葉と敬語とは、しょせん水と油なのである。

「あーら、こちらのおにいさん、こっちの方はちょいといける口じゃございませんの」
と言って、芸者さんがお酌をしてくれると「ございませんの」と終わりは丁寧だが言葉の調子は決して尊敬しているわけではない。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
「うん、ちょっとそこまで」
「どっちへ行くの」
「そっち」
ここで気になることが、二つあるはずである。

一つは、「これから」と聞かれた時に、その言葉の下には「会社へご出勤ですか」という意味があったので、「うん」と答えた。

それ、なのに、あなたの「どこへ」という問いに、「ちょっとそこまで」
では答えにならない。

これは失礼である。

これは決して敬語の文法的問題ではないが、精神的には、相手にはっきり答えていないという失礼をおかしている。

言いにくい場合もあるだろうが、相手がはっきり言ったのなら、自分もせめてどこどこへと大ざっぱな答えでもいいからしなくてはならない。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
「うん、どこへ」
と言うのは内「これから」という問いかけに対して「うん」と返事をし、今度は相手に「どこへ」と質問したのである。

もちろん、目上の人には「ええ」とか「はい」とか答えるだろうが、その次に「どこへ」とは言わないだろう。

当然「どちらへ」となる。

しかし、「どちらへ」だけでは、どうも敬語の感じがしないような気がするだろう。

そう思うようになれば、tめたものである。

もちろん「どちらへおいでになるんですか」、あるいは「どちらへいらっしゃるんですか」という形になる。

問題は「おいでになる」を使うか「いらっしゃる」を使うかであるが、その前に、それに続く会話を見てみよう。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)