環境を区分する場合、自然環境と社会(文化)環境という区分はよく行われている。
これは自然と社会(文化)という対概念を指標として環境を区分するものである。
したがって自然環境という概念は人間の文化や社会の成立以前から存在し、今なお人間社会を規定しつづけている基盤を指す。
ここには、地球とそれを取りまく大気、この地球の中のさまざまな地質や地形、そこに生活するすべての生物が含まれる。
この概念は、そうした人間生活の基盤を示すのには、わかりやすい。
しかし現在のように文明の発達によって、大気が汚染されたり、動物の生態系に著しい変化がもたらされる時代に、この概念を固守することは、社会と自然のかかわりをつかむという点で正しい環境理解にはならない。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)