お節料理とは その1(三上靖史)

家族全員が〈屠蘇〉を祝い終わったら、〈お節料理〉を肴に、〈雑煮〉を食べることになります。

〈お節〉とは〈お節供〉の略で、もとは、正月や五節句(正月7日の人日・3月3日の上已・5月5日の端午・7月7日の七夕・9月9日の重陽の各節句)などの式日に用いる副食物のことでしたが、いつからか正月の料理にかぎって、〈おせち〉と呼ぶようになったのだといいます。

昔の〈おせち〉では、にんじん・ごぼう・ごまめ・焼き豆腐・こんにゃく・さといもなどのにしめ、大根・にんじん・ごまめなどのなます、それに、塩びき鮭などの焼き物などがきまりとなっていましたが、これだと、五節を通じて、どんな家庭でもそろえることができたわけで、あとは、その家の経済状態に応じて、好みの品や季節の品を加えればよいということだったのでしょう。

今日の〈お節料理〉は、地方により、また、家のしきたりによって、多少の違いはありますが、先にかかげた煮しめやなますは、いまでも、基本料理となっており、これに黒豆・こぶ巻き・かまぼこ・卵焼き・栗きんとんです。




三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)