今日のデザインへのエネルギーはあまりにも幸せな人をもっと幸せに、退屈なる人にもっと刺激を与えることばかりに注がれ過ぎてはいまいか。
歩くことさえ、語ることさえ不自由な人達に楽しんで貰うデザインもあってしかるべきではないか。
デザインについて機能美というものが云々されるならば、健康人以外の人の使い勝手の良さから生まれる機能美があっても良いだろう。
デザインが精神の営みであるかぎり、万人等しくそれを欲し、憧れることは当然である。
私達はあまりに目まぐるしく変化するデザインムーブメントの流れに気おされ、かたわらに取り残されていきつつある人々のデザインに気づかずにいると思う。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)