2014年8月アーカイブ

「これから」
と言うのと、
「これからご出勤ですか」
と言うのでは、言葉の向う側にいる相手が全然違うなということがわかる。

まさかあなたは部長や課畏に、「これから」とは言いはしないだろう。

若い人はしばしばここで損をしてしまうのである。

自分の気持ちとしては、これからですか、と言おうとしたのだが、ついどぎまぎして、中途で言葉を切ってしまう。

そうすると、言葉を知らない人間と思われるのだ。

「これからですか」も「これからご出勤ですか」も同じ内容ならば、少なくとも「ですか」だけは言うことである。

敬語の使い方は、こんなところから始まるのである。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

「よう」
「おはよう」
「これから」
「うん、どこへ」
「うん、ちょっとそこまで」
「どっちへ行くの」
「そっち」
「じゃ」
「じゃあね」
これだけ書けば、あなたが出勤のために家を出て、駅や停留所へ行く途中で、友達にあった風景をご想像願えると思う。

ここには敬語はまったく無いし、もしこのままの言葉使いで目上に対する敬語をくっつけようとしても、サマにならないのである。

「これから」
というのは、これからご出勤ですか、ということである。

親しい人1と言っても、同僚やそれ以下の人1に対してはこれでもいいが、敬語をきちんと使おうと思う上に大切なのは、終わりまで言いきることなのである。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
彼はもう学生ではなく、社会人なのであるから、いくら野球だけが出来ればいい職業でも、人格を問われては生きて行けないのである。

時折り、単に"言い終わり"を丁寧にするだけの基本的な敬語を使う夫婦に出会うことがあるが、見ていて気持ちがいい。

夫らしく妻らしく感じられる。

日本語のよさを、うまく自分の美しさのために利用し、身につけている女性であり、また、そう言わざるを得ないような風格を持っ

夫も、男として素敵である。

「あなた、おビール飲む?」
と言っても、
「あなた、ピ:ルお飲みになりますか」
と言っても、どのみち奥さんは一本出せぽいいのである。

「あなた、ビールお飲みになりますか」
と言われて、あれえ、うちのカアチャンは今日はなんてやさしいんだろうと、「じゃ、もう一本」
と言おうものなら、
「つけ上るんじゃないよッ」
と怒鳴られそうだが、最初の気分が違うのである。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)