何となく盃を出したくなる気分にはなる(三上靖史)

粋というのは、こうした説明しにくい要素をもっているものなのであるが、その点、敬語は完全ではないが、かなりはっきりした形をもつ。

敬語はこのように、少しもゆるがせにしてはならない言葉である。

だから正しい使い方が厳密に要求される。

そこで問題になるのが、「いらっしゃる」や「おいでになる」である。

「いらっしゃる」というのは、敬語の第一歩のようなもので、あなたも小学校の時に、
「先生がきたと言ってはいけません。

先生がいらっしゃったと言いなさい」
と、教師自身や親から教えられた記憶があるだろう。

それも小学校低学年の時代ではなかったろうか。

それほどに「いらっしゃる」は初歩であると同時に、応用範囲もきわめて広いのである。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)