日本のトランジスター文明(三上靖史)

どっちみち人類にとって都市は、進歩・幸福の源泉なのである。

モスクワは500万人で制限しようとしたができず、いま650万の大都市に成長している。

都市的集団動物としての人類にとって都市はイデオロギー以上の問題であることがわかった。

この国の国土の広さは人口を過疎にし、資源を分散し、集積の効果を著しく減殺して、日本のトランジスター文明といわれる小型の能率性とは全く逆の、非能率な国にしている。

そのうえ共産主義体制で自由競争がないことがいよいよ非能率を助長している。

このためいたるところに極端なアンバランスがみられる。

都市と農村の文化生活の極端な格差、重工業に対する軽工業の立ちおくれ、工業生産は過去50年に40倍に上昇したが、農業はわずか5.2倍に止まっている。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)