ロンドン暮らしの長いある駐在員夫妻はホームパーティーでの喫煙についてこんな習慣が主流になりつつあると話してくれた。
ホストがたばこに弱く家の中での喫煙を好まない場合は、ゲストを招待する時点でそのことをやんわり、かつ、きちんと伝えておく。
たばこなしでは一時も過ごせない人は、このときに出席を遠慮する機会が与えられるわけで、双方無用の我慢を避けるためでもある。
自分たちはたばこを吸わないがゲストが吸うのはかまわない、という人はぐっと多い。
そうしたホストは部屋の一角を喫煙コーナーにして、テーブルに灰皿を置かないようにしている。
ゲストにとっては"喫煙はかまいませんが、あまり吸いすぎませんように"のサイン。
喫煙者は庭、ベランダ、窓辺など、空気の流れのよい場所で吸い、灰皿の後始末も責任をもって行う。
ある人は気をきかせたつもりで、洗面所で吸ったそうだが、湿気のある小さなスペースはいつまでも匂いをこもらせ、ホストにとっては大迷惑だった。
カナダ、アメリカでは政府がたばこ離れを推進し、国際機関である世界保健機構(WHO)もたばこ追放を積極的に提唱している。
時代を知るエグゼクティブなら、混沌とした喫煙マナーに悩むより、いっそやめる方を選ぶのではないだろうか。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)