摘心の方法

摘心は、伸びすぎる枝を抑制するために新梢の先端をつむ方法で、木質化して堅くならないうちに行なう。

これによって、新梢は充実して側芽が伸び出し、枝が密になるが、生長期の庭木に行なうので時期を誤ると失敗する。

フジは花が終わると間もなく元気のよい蔓枝が伸び出すが、あわてて心をつむと先のほうの側芽がたちまち伸びて枝ばかり繁茂し、二番枝のために翌年の花芽がつかなくなってしまう。

5月から7月にかけてどんどん伸長する庭木の新梢をむやみにつむと、枝ばかり茂ってかえってよくないので、摘心の時期と庭木の勢力のバランスを保つことが肝心である。

摘心に類するものでマツのみどりつみは生長期のアカマツ、クロマツに行なう独特の方法で、春に伸び出したマツの新芽(これをみどりという)を三本ぐらい残して不用の芽を指先で元からかき取り、残したみどりの長すぎるものの先端を指先でつみ取ってしまう。

これは木バサミを使わない指先での操作であるから、時期がたいせつである。

4月下旬から5月にかけてまだみどりが柔らかな時期を選ぶ。

みどりをどのくらい残すかは、木の姿や栄養状態によって違い、相当の熟練を要する。

この方法を毎年くりかえすと、あまり木が大きくならずに枝がたくさんでて、松特有の老成した優雅な樹型を作ることができる。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)