煤払いは本来は衛生掃除ではなく、信仰的な行事をともなったものなのです。
12月13日の「事始め」に、昔の江戸では千代田城をはじめ、武家の屋敷や民家にいたるまで、煤払いをしました。
現代では、この習慣はうすれましたが、それでも神棚や仏壇の掃除だけは、この日にするところが多く残っています。
煤払いの特別の道具に煤梵天があります。
これは竹ざおの先にわらをくくりつけたもので、使用後は戸外に立てておき、灯明や神酒を供え、小正月のとんどで焼くところが多いようです。
宗教的な意味のうすれたいまでは、官庁などでは御用納めの28日にする大掃除を煤払いといい、各家庭では、大晦日にいつもよりていねいに大掃除をする程度です。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)