2016年5月アーカイブ

切り口をそのままにしておくと、癒合組織の形成が悪く、新根が思うように出ないので、鋭利な刃物でなめらかに切り直しておくとよい。

切断面は根の伸長方向に直角か斜め四五度になるようにし、下向きになるように切る。

どのくらい切りつめるかは樹勢、樹齢、根の状態によって違う。

ヒマラヤシーダのように、大木になりすぎるものを住宅の庭に使うには、根切りが必要であるが、この木は浅根性のため台風で倒れやすい。

したがって、四方に力根を残すことは不可欠の条件になるが、樹勢が強すぎるときは、環状はく皮の要領で残した根の皮を輪状にはいでおく。

これは衰弱した庭木の発根を助ける効果もあるが、根の再生力は時期、樹種によっても違う。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
地上部と根の生長が微妙なバランスを保って生長を続ける。根が老化してくると、地上部に養分蓄積が多くなり、花芽がつきやすくなる、いわゆる老化現象を起こす。

反対に根の勢いが強いと、それにつれて地上部も上昇生長が盛んになり、いくら枝を切りつめても生長を抑制することができずに、下枝が上がったり開花部が先へ先へと伸びるばかりで困ってしまう。

こんなときは、枝をつめるよりも根をつめるとよい。

大きな庭木は、幹直径の五~六倍のところにスコップで円形のみぞを掘り太い根を露出させる。

根を全部切ってしまうと支持力がなくなり、台風で倒れやすくなるので、四方に太い根(力根)を残し、あとの根はノコギリや木バサミで切ってしまう。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

摘芽の方法(三上靖史)

新梢を木ハサミや指でつみ取るよりもっと早く芽のうちにかき取るのが摘芽(芽かき)である。

芽はそのついている位置によって将来伸び出す方向が違うし、花芽、葉芽の着く位置も違うので、どの芽を残すかは相当の知識がいる。

普通は枝の先や中ごろの芽は勢いが強く、下の芽は弱いので目的によってつむ芽を選ぶ。

強すぎる枝を抑制して枝を均等に出させるには、先の芽をつむのがよく、芽の数をへらすのなら将来の枝振りを考えて、適当の間隔で芽の伸びる方向をよく見定めて間引く。

ブドウやボタンなど、茎が柔らかくて腐りやすい庭木や、サクラ、シラカバなど剪定に弱い庭木にはよい方法である。

ボタンは花数が多すぎると小さな花しか咲かないので花芽の数を一、二芽にし、あとは指先かヘラでかき取り、葉芽は必要がないので予備枝以外は全部とってしまう。

時期は冬の間に行なうのが普通であるが、ブドウは新梢から孫蔓が伸び出すのをかき取る。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)